今月の特集
2月の特集は、『無限のリヴァイアス』。 特集記事は2月5日更新予定だ! 只今、平井久司描き下ろし壁紙カレンダープレゼント実施中!
無限のリヴァイアス特集 第1回
「無限のリヴァイアス」超再放送一挙2本再配信!!
サンライズステーションオープン時に配信された超・再放送を、今回の特集に合わせて再リリースいたします。特集期間のみですので、お見逃しなく!
出演は、主人公・相葉昴治役の白鳥哲さんと相葉祐希役の保志総一朗さんです。

スタッフインタビュー
- 第1回 2月12日掲載
東不可止プロデューサー(テレビ東京)インタビュー(1) - 第2回 2月19日掲載
東不可止プロデューサー(テレビ東京)インタビュー(2) - 第3回 2月26日掲載
メカデザイナー山根公利インタビュー
東不可止プロデューサー(テレビ東京)インタビュー
1999年10月、ハイティーンを魅了したアニメーションが出航した。「無限のリヴァイアス」--谷口悟朗監督、黒田洋介さんほか一流のスタッフ、キャストが集結。少年少女が内包する清濁を浮き彫りにした描写に、多くの反響が寄せられたという。テレビ局側のプロデューサーを務めた東不可止さんに、当時のスタッフのようす、テレビアニメーションの状況をうかがった。
「リヴァイアス」そして谷口&黒田コンビとのファーストコンタクト
東プロデューサーは、アニメがお好きで、テレビ東京さんに入社されて、ずっとアニメのお仕事に関わられていたのでしょうか?
そういうわけでもないですね。中学・高校のころは好きなほうだったと思うんですけれども、大学のころはほとんど見てなかったですし。大学を卒業して、平成元年にテレビ東京へ入社してから、1999年3月までずっと営業サイドでした。
営業時代はどんなことをされていたのでしょうか?
1997年くらいから営業サイドでアニメ枠の管理を担当してました。「ポケットモンスター」とか「新世紀エヴァンゲリオン」などをやっていて。そのころはアニメーションの転換期で、ビデオ・LDからDVDに移っていく過渡期でもありました。映像ソフトでビジネスが成り立つというのが見えてきた時代だったんですね。それと深夜アニメ枠が増えつつある時期だったと思います。アニメーションが違う局面に立ちつつあるなと感じてました。それでもアニメ枠のメインは夕方6時台でしたね。6時台のアニメが、まだ今と違っていろんなことにチャレンジできる時期でした。深夜のアニメ枠がしっかり定着してからは、ハイターゲットは深夜に、キッズ向けは夕方枠にとカテゴリ分けされてきてますね。だから「リヴァイアス」みたいな企画は、今は夕方枠に放送されることはないかもしれないですね。
アニメ制作部に異動されて、その後は?
その後、6月か7月ごろに上司から10月から放送する「リヴァイアス」の担当をするように言われて。当時の企画書は「黒のリヴァイアス」になってましたね。だから「リヴァイアス」はプロデューサーとして初めて手がけた作品のひとつですね。谷口悟朗監督は、「ガサラキ」でお名前は知っていて、初めてお会いしたときは例の“バンダナ”を巻いていました(笑)。
そこからプロデューサーとして「リヴァイアス」の制作に関わっていくんですね。
「リヴァイアス」はほかの作品とつくり方も違っていて、黒田さんたちとシナリオの打ち合わせをした覚えがほとんどないんですよ。これも多くの作品を見てきた今だからわかることで、新参者の自分にはそれが特殊ということもわからなかった。谷口監督も黒田さんも、初めは僕がどういう人間かわからない状態でつきあってたわけです。おそらくテレビ局の新米プロデューサーが来て、ダメ出しされて作品が立ちゆかなくなったりするの懸念してのことだったと思うんです。でも僕のスタンスとしては、わりとクリエイターの意向に乗っかっていきたいほうだった。そういう意味もあって、僕らプロデューサーは外置きにしてもらって、何かあるときに相談に乗ろうというスタンスにしたんです。プロデューサー・サイドは、現場をある程度自由にしておいて、最後のバックストップという形で頑張っていく。自然とそういうふうになっていったのはありますね。
谷口監督については、どういう印象だったんでしょうか? 当時はあまり表に出てこられないタイプの方と思われませんでしたか。
谷口監督は、そのときどきにスタイルを決めて自分を演出する人、と僕は思っているんです。もしかしたら当時バンダナを巻いていたのもそういう意味があったのかもしれませんね。「リヴァイアス」のときは、取材で作品を語るのではなくて、作品を見てもらってテーマを感じ取ってほしいという姿勢でした。クリエイターの立場からすれば、すごくまっとうなお話ですよね。それでも、あの時期のアニメーションとしては、わりと取材に出ていたほうだと思いますよ。
ご本人は、「リヴァイアス」では黒田さんを推していたみたいです。
そうかもしれないですね。黒田さんも自分のスタイルをもってらっしゃる方で、何より“熱い”んです。あるとき、いきなり僕に怒りをぶつけてくることがあって(笑)。「あれ?」と思いつつ、怒っている理由を聞きだすと、やっと仔細が飲み込めてくる。それからこっちの事情を説明すると、すぐに落ち着くんです。そこは頭のいい方ですから、事態の飲み込みも早いんですよ。ただ、いろんなことがあると、どうしても誰かに言わずにはいられない気性なんでしょう。たまたまぶつけるポジションに僕がいただけのことかもしれませんが、黒田さんとはいろんな話をしましたね。よく飲んでました(笑)。
同世代だけが共有できる言語
谷口監督とはほぼ年齢もいっしょで、脚本の黒田洋介さんはちょっと下かな。3人とも世代がいっしょで、考え方から見ているバックボーンが同じなんです。どういうテレビ・映画を見て、どういう書物を読んで育ってきたとか、すごくわかる。黒田さん、谷口監督の世代が今、アニメの第一戦で活躍されてますよね。水島精二さんや錦織博さんも、お話をすると皆さん楽しいんです。
1999年前後から頭角を現わしてこられた方々ですよね。
皆さん43、44歳ぐらいですよね。ちょうどあのころに同じジェネレーションの人たちが集まって、アニメーションで活躍しはじめた感じがあったんです。
世代が違う人と話をすると、ときどきうまく伝わらなかったり、理解できないことがありますよね。
たとえば脚本の打ち合わせで、キャラクターの立ち位置や関係を説明するときに、同世代の人だと普通に通じることも、違う世代だと一度ほかのことに置き換えないと中身を理解してもらえないことがある。わかりやすいところでは「ガンダム」のキャラクターになぞらえたり(笑)。もっと下の世代だと「エヴァンゲリオン」に変換しないといけない。
そういう意味では、「リヴァイアス」では監督はじめメインスタッフと、共通言語で話すことができたんですね。意思の疎通がスムーズだった。
そうですね。制作側のやりたいことやその意図は理解しやすかったですね。谷口監督も黒田さんも最終的に譲るラインをあらかじめ決めているんです。表現上の落としどころを最初から決めてはあるんだけれども、まずはストレートなところから始めないと、僕にそのシーンを描く意図が伝わないというのもあったんでしょう。だから設定の中だけでいうと、テレビアニメーションでは絶対描いてはいけない部分が「リヴァイアス」にはありました。でも、谷口監督が描きたいテーマはそこを内包していないと成立しない。だからいっさい描かなくても、ニュアンスを出すことに谷口監督はかなりこだわられてました。テレビ局側の立場としては、視聴者に対して『深読みすればそう見えるかも知れないけれど、描いてはいけない表現をしている意図はありません』、というスタンスは貫かないといけない。「リヴァイアス」の根底にはいろんなものがあるとしても、テレビでの表現上、番組として成立させて放送するからには守っていただかないといけない。そこがわからない人たちではないので、きっちりお話しさせてもらいました。僕らのほうは、外側に対して「リヴァイアス」が内包しているテーマはオブラートに包んで、あえて触れないようにしていました。これは10年経ったから言えることかもしれませんね。
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- 東不可止(あずま・ふかし)
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株式会社テレビ東京 アニメ局 アニメ制作部プロデューサー。平成元年にテレビ東京に入社。営業を経て1999年にアニメ制作部に異動後、「キョロちゃん」「無限のリヴァイアス」でプロデューサーに。以後、テレビ東京のアニメ作品でプロデューサーを務める。サンライズ作品でも「スクライド」「銀魂」などを手がける





